著作権問題とクリエイティブ・コモンズ

Nov

30

Web広告研究会の10周年記念特別のセミナーで、デジタルコンテンツの著作権問題について学んできました。「コンテンツ流通を促進するクリエイティブコモンズ」です。

講師は米国NPOクリエイティブコモンズ アジア・プロジェクト・コーディネーターを勤めていらっしゃる株式会社ロフトワーク代表取締役の林千晶さんです。

林さんは第7回 Webクリエーション・アウォードで、Web人賞を受賞されています。

林さんによると、著作権の考え方には、大きく3つあるそうです。

一つ目は、無方式主義
著作権は創作時に発生するものであり、申告手続きが不要な権利であることです。

二つ目は、著作者人格権の保護
著作者から第3者に譲渡されないように守られいます。

最後に著作者の保護期間
最低50年は保護されます。
1886年のベルヌ条約に基づき制定された著作権法は、世界163カ国で批准されているそうです。

ただ、その中でも日本が最も厳格に整備されているとのこと。

たとえば、過去の動画作品をネットで流したいとおもったら、動画の制作にかかわった関係者全員に承諾を取り付けなくてはいけません。出演者、出演者が所属するプロダクション、撮影者、編集者、監督・・などなど
膨大な業務が必要となります。
いわゆる「フェアユース」という考え方がないのです。


ブログ・YouTube・ツイッターなどなど、いろんな情報発信ツールが登場し、ネット社会における著作権法は、プロ同士の問題から、国民全体に係わる問題になってきました。
たとえば「この曲は詞がステキだ」とブログに歌詞を引用しようとすると「著作権者に使用料を払え」という話になりかねない。こうした紹介記事でCDが売れることはよくあるのに、これでは著作権者である作詞家の利益にマイナスに働いてしまいます。

コンテンツの幅広い流通を支援するか。著作権者の権利を尊重するか。
難しいところですが、時代の変化に対応したバランスの取れたルールづくりが必要だということはよく分かります。

一つのアプローチが、林さんが推進されているクリエイティブコモンズです。

情報を共有しようとすると、知的所有権法や著作権法が障害になる場合があるが、この運動の基本的なねらいは、そのような法的問題を回避することにある。

これを達成するために同プロジェクトは著作権者が作品のリリースにあたって無料で利用できるようなライセンスのプロトタイプを作成、提供し作品がウェブ上で公開される際に検索や機械処理をしやすいようなRDF(XML)によるメタデータのフォーマットを提案している。

著作権を全て留保する "All rights reserved" といわゆるパブリックドメインである "No rights reserved" の中間の "Some rights reserved" が、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスが規定する領域である。

クリエイティブ・コモンズ - Wikipedia


林さんの講演のなかで、脳裏に焼きついたフレーズがありました。
「進化は優れた先人の功績によって生きる」

少し精神論的な部分はありますが、今後のデジタル産業の進化は、先人のみならず、我々自身がどれだけフェアユースの立場で情報発信ができるか、我々自身がどれだけGive&Giveのスタンスになることができるか、この姿勢次第ではないかと、問いかけています。

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